野球小説

ライトスタンドプリースト 2

「あれは、僕が入団して2年目のことです。 初めて、二軍の試合に出してもらえることになりました。 九回裏、ワンナウトで、ランナーは一塁。同点の場面です。 一塁には、同期で俊足の坂上がいましたし、2人でサインを交換して、ヒットエンドランを狙いまし…

ライトスタンドプリースト 1

「ライトスタンドに、お坊さんが現れるんですよ。チベットの修行僧みたいな」 「はあ」 僕は気の抜けた返事をしてしまった。これは、仕方のないことだと思う。 今僕は、憧れのプロ野球選手にインタビューをしているはずだ。 だけど、野球とチベットの修行僧…